民有林史料調査

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八雲産業株式会社 八雲事業所所蔵史料調査

 徳川林政史研究所では、平成19年度〜平成25年度まで受託事業として、八雲産業株式会社八雲事業所(北海道二海郡八雲町)の「開拓倉庫」に所蔵された史料の調査を実施していました。

 八雲は、尾張徳川家第14代当主の徳川慶勝が、明治11年(1878)に旧藩士の授産のため、政府に願い出て開拓を進めた場所で、尾張藩ゆかりの地です。「開拓倉庫」は、旧藩士による開拓が始まった明治11年に建設されたといわれる木造の蔵で、現在は八雲産業株式会社が管理しています。調査は、毎年夏と秋の2回ずつ実施し、八雲産業株式会社八雲事業所の社有林関係史料や各種帳簿類・図面類などの整理・目録化作業を行っていました。このほか「開拓倉庫」には、尾張徳川家第19代当主で徳川林政史研究所の創設者でもある徳川義親が、大正末~昭和初年に農村美術運動の一環として推進した「八雲農村美術及手工芸品評会」の出品作品のアイヌ刺繍なども残されていました。


2023年9月1日~3日

 研究員(マネージャー)の藤田英昭と、非常研究員の萱田寛也、同研究生の齊藤みのり、同谷橋啓太の計4人が北海道二海郡八雲町に出張し、八雲産業株式会社 八雲事業所所蔵史料の調査・撮影を実施しました。
 以前は、研究所研究員の指導のもとで研究生が年2回のペースで八雲に出張し、事業所所蔵史料の整理・目録作成作業を実施していましたが、2013年に終了した後は研究所として八雲出張はおこなっていませんでしたので、10年ぶりの出張調査となりました。この間、研究員・研究生の顔ぶれも変わり、調査に参加した若手メンバーは北海道を訪れること自体が初めてという人もいました。
 今回の調査では、おもに以前整理した史料の保存状況を確認するとともに、史料を保管している倉庫の掃除と整理をおこないました。撮影史料はおもに尾張家19代当主で徳川林政史研究所の創設者である徳川義親に関する史料で、ほかに八雲町で開催された品評会の賞状や農業功労者への感謝状なども撮影しました。撮影件数はおよそ60件となりました。
 また、調査期間中の9月2日(日)に鷲ノ巣愛林農業協同組合の研修講演会に参加し、藤田が講演会の講師をつとめました。演題は「徳川義親と木曽山」で、講演の後半では木曽山に関するDVDも視聴しました。調査メンバーは聴講して調査史料に関する理解を深めました。
 出張中は八雲事業所の方々をはじめ八雲町の皆様には大変お世話になりました。この場を借りてあつく御礼を申し上げます。ありがとうございました。


  • 史料の撮影風景
  • 研修講演会の様子

2022年8月29日~31日

 研究員の藤田英昭が、八雲事業所の「開拓倉庫」所蔵史料の確認を兼ねて、9年ぶりに八雲出張に行ってきました。
 この出張には、上廣倫理財団の方お二人も同行して、八雲町役場を表敬訪問し、町長・副町長・教育長にもご挨拶させていただくと共に、町の関係各課の方々と今後の協力関係についても会合を持つことができました。ほかにも、八雲町郷土資料館や木彫り熊資料館、八雲事業所社有林などを見学し、親交を深めることができました。
 調査中は、八雲事業所の皆様に大変お世話になりました。この場を借りて厚く御礼を申し上げます。

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